第5回大会演者 抄録・プロフィール: 中田英之

中田英之
(大阪大学先進融合医学共同研究講座。練馬総合病院 漢方医学センター)

演題: 「介入と変容を促す融合医学ー東洋医学を融合医学へ進化させるー」


要旨:

東洋医学の特徴は、「病気ではなく病態を診る」ことにある。東洋医学治療では、患者の訴えを一つの「病態」として全て受け止め、過去から現在に至るまでの物語を心身両面において人間関係、環境に至るまで描き出して分析する。次に分析結果に基づいて患者に気付きを与えて内省を促し、目標の設定を行い、目標達成に必要な治療者側の介入内容と本人の変容内容を、治療者と患者の共同作業で作り上げて治療戦略とする。この受容・内省・行動変容の手続きと平行して行われる漢方や鍼灸、呼吸法を用いた身体調整、更には西洋医学治療に至るまでの融合医学治療について、腰椎椎間板ヘルニアの手術回避症例(疼痛は、身体の炎症と憎悪や恐怖、不安がもつれ合いながら時間とともに重層化する)を題材に、人を相手にした治療とは何か?について考察する。

【プロフィール】

中田英之(なかたひでゆき)
平成7年 防衛医科大学校卒業 産婦人科入局
平成7年〜9年 防衛医大病院で研修医
平成9年〜11年 自衛隊勤務の傍ら東北大学加齢医学研究所、癌化学療法研究分野で研究生 p53の分子生物学的研究に従事。
平成11年〜13年 防衛医大病院 産婦人科
平成13年〜17年 自衛隊仙台病院 産婦人科・漢方外来
平成17年 防衛庁退職
平成17年4月 慶應義塾大学医学部 漢方医学講座所属
稲城市立病院 漢方外来
平成20年1月 練馬総合病院 漢方外来開設
平成21年4月 練馬総合病院着任、健康医学センターと漢方内科の専任として着任。
平成23年1月 練馬総合病院 漢方医学センター長に就任
平成29年5月 大阪大学先進融合医学共同研究講座 特任助教
【専門医】日本産科婦人科学会 専門医、日本東洋医学学会 漢方専門医
【役職】日本東洋医学会:EBM特別委員会委員