第3回大会演者 抄録・プロフィール: 上馬塲和夫

上馬塲 和夫(うえばば かずお)
演題: 特別講演 「東洋医学のボディ・マインド・スピリット相関を説明し得る「静脈の循環系ハブ仮説」と椎骨静脈叢(バトソン静脈叢)」


要旨:
ヨーガや気功、鍼灸、オイルマッサージなど東洋医学の治療法は、その特異な身体観や生命観で説明
されることが多い。
これは現代医学にはない、気やプラーナ、経絡、チャクラなどの概念である。
我々は、筋骨格系や皮膚に蓄電した電気と静脈系の働きが、気やプラーナの流れと関連する可能性に気
づいた。
特に静脈系が、動脈、リンパ、脳脊髄液の流れなど全ての循環系のハブになるとする「静脈の
循環系ハブ仮説」を提唱した。
さらに皮膚の乳頭下静脈叢や脊柱管内外の無~乏弁の椎骨静脈叢(バトソン静脈叢)が、ポリモーダル受容器の感作、交感神経幹機能、脳脊髄液循環、脳血流などに関与する可能性を推定し、呼吸法や頭&脊柱ケアの効果を説明している。
頭&脊柱に多いツボ《マルマ=急所》への刺激により誘導される変性意識状態の発生にも、電気生理学的機序だけでなく、静脈と脳脊髄液を中心とした脳の循環動態が関与する可能性を推定している。

 

【プロフィール】

帝京平成大学ヒューマンケア学部教授。医師、医学博士。
昭和53年:広島大学医学部卒業後、虎の門病院内科、:北里研究所付属東洋医学総合研究所&臨床薬理研究所、
平成8年:シドニー セント・ヴィンセント病院(脈診研究)、
平成11年:富山県国際伝統医学センター、
平成20年:富山大学和漢医薬学総合研究所、
平成21年から:現職。平成23年:(一社)
日本アーユルヴェーダ学会&NPO日本アーユルヴェーダ協会理事長。