第3回大会演者 抄録・プロフィール: 山口創

山口 創(やまぐち はじめ)
演題: レクチャー 「身体心理学入門(3)-動きと心の進化学」


要旨:
身体心理学の理論的背景として、進化学との関係について考えてみたい。動物は「動く」物と書くように、動くことがその本質である。
広く学問の世界を見渡した場合、運動やスポーツに関する学問は数多くあっても、動くことそのものを追及する学問は、身体心理学以外には見つけることができない。
動くことは心そのものでもあると考えられることから、心を追求するために動きをテーマにすることは、進化の過程を考えても重要なことであろう。
本講演では、特に心と関わりの深い動き、すなわち表情、姿勢、呼吸などを取り上げ、それらの動きと心の関係について考えてみたい。
これらの動きは、種々のボディ・ワークの中でも本質的な動きの要素となっていることからも、ボディ・ワークの実践において心を理解するための基礎的な視点となるであろう。

 

【プロフィール】

(桜美林大学教授、臨床発達心理士)
早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程修了。
専攻は健康心理学・身体心理学。
聖徳大学講師を経て、現在は桜美林大学教授。
人の健康や幸福に対して身体心理学を基礎に、タッチングやオキシトシン、ボディワークについて研究を続けている。