第5回大会演者 抄録・プロフィール: トート・ガーボル

トート・ガーボル

(相模女子大学子ども教育学科教授 臨床発達心理士)

演題: 講演 「低体重出生児のケアと家族支援」

要旨:

低体重出生児として出生すると、まず救命のための医療が必要となり、新生児集中治療室(Neonatal Intensive Care Unit: NICU)という特殊環境で生活がスタートする。しかし、救命された子どもの予後については改善すべき点が多く、長期的なリハビリテーションの対象となることも多い。思い描いてきた出産や育児と異なるスタートを切った家族に対しては、関係性を構築し、養育者として自信が持てるよう支援することが重要である。また退院後も発育・発達のみならずさまざまな問題を抱えやすい低体重出生児には、生活支援や地域連携が重要であり、地域の病院、小児科医、保健センター、訪問看護ステーション、さらには教育機関との連携も不可欠である。

低体重出生児には、発達障害ハイリスク児としてフォローする発達相談及び早期感覚運動指導に関する身体教育プログラムが必要である。退院後は、医学的治療以外の臨床発達心理学的支援プログラムや、幼児発達評価に基づくさまざまなスクリーニングと発達論に基づく継続的な子育て支援、及び親支援が必要と考えられる。

【プロフィール】

ハンガリー生まれ、医学博士、教育学修士(兼)横浜市立大学医学大学院研究科客員教授