第5回大会演者 抄録・プロフィール: 佐野浩子・くにもときく

佐野浩子・くにもときく

(コーマワークジャパン)

演題: ワークショップ 「言葉以前のつながりを作る〜コーマワークから学ぶ対人支援」


要旨:

コーマワークは、プロセスワーク(プロセス指向心理学)という深層心理学をベースとした、昏睡状態・認知症といった通常の意識状態にはない方へのアプローチです。身体、意識、感情のレベルで相手に波長を合わせ、身体に手を触れながら心に働きかけていくと、相手の深層レベルの意識、夢を見ているような世界に降り立つことができ、コミュニケーションが可能になるのです。呼吸や身体の動きなどを手掛かりに相手のフィードバックをとらえていくため、非侵襲的なアプローチだと言えます。

今回は、コーマワークに流れているロセスワークの理論をご紹介しながら、自分自身が深いレベルに降りていく方法とコーマワークを少しだけ体験していただきます。

また、人生の終末期にあって、生きてこられなかった側面を生き、人生を全うするためのサポート方法でもあります。死のプロセスをサポートしていくことについても事例をお話していきたいと思います。

【プロフィール】

佐野浩子
一般社団法人日本プロセスワークセンター代表理事/ファカルティ。その他個人開業(PresenceBloom)で個人やカップルのセッションを行う他、一般総合病院で臨床心理士として勤務。昏睡状態や人生の終末期にある方への心理療法、コーマワーク、また組織においてのファシリテーションなどを行っている。
くにもときく
一般社団法人日本プロセスワークセンターファカルティ。臨床心理士。精神科の勤務を経て、現在はスクールカウンセラーとして活動している。コーマワークは、相手の世界に触れる繊細さと、クライエントの全体システムを援助するための訓練としても有効だと感じ、トレーニングの運用に携わっている。