第4回大会演者 抄録・プロフィール: 山口創

山口創
演題: 「いま、なぜタッチングなのか ータッチの基礎となるエビデンスを探る」


【要旨】

本講演では、「触れる」ことそのものが内包している意味や癒し効果について、
さまざまな職種や業界の垣根を越えた共通点についてみていく。
触れることは非常に繊細な行為であるにも関わらず、相手には良くも悪くも多大な影響を与えるものである。
物理的には同じ触れ方で触れたとしても、
互いの人間関係によって感じ方が大きな影響を受けることからもわかるように、心理的な要素も重要である。
触れることが相手にポジティブな作用を及ぼすためには、相手に尊厳をもって触れることが重要なポイントだと思われる。
そのように尊厳をもって触れるためには、具体的にはどのように触れるのが良いのか、
そのポイントについて生理学や心理学における心身両面から、科学的なエビデンスに基づいて紹介する。

 

【プロフィール】

桜美林大学リベラルアーツ学群教授

早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程修了 博士(人間科学)、臨床発達心理士。
聖徳大学を経て、現在、桜美林大学リベラルアーツ学群教授。
専門は身体心理学、健康心理学、タッチ学
「触れる」ことをテーマに、親子関係や医療・介護場面、ボディワークなど様々な領域の研究をしている。
著書に『人は皮膚から癒される』『手の治癒力』(草思社)、『子供の脳は肌にある』(光文社)など多数。