第3回大会演者 抄録・プロフィール: 大下大圓

大下 大圓(おおした だいえん)
演題: ワークショップ 「密教瞑想を楽しむ」


要旨:
私は2008年から2年間、京都大学「こころの未来研究センター」で「臨床応用としての瞑想療法」について研究をし、その研究のまとめた書籍を出版して、瞑想療法や臨床瞑想法について詳しい解説した。
瞑想の機能や多義的な解釈を4つの瞑想メソッド「ゆるめる瞑想法、みつめる瞑想法、たかめる瞑想法、ゆだねる瞑想法」に分類した。
瞑想のもつ多義的な機能を活用して、障害となる心身の改善や人間性、スピリチュアリティの向上を目指す、心理的、精神的なアプローチとして瞑想を、臨床的に応用することを「臨床瞑想法」とし、自己の訓練だけでなく対人援助のツールとして、応用展開を試みている。
臨床瞑想法は「①瞑想を活用して、クライアントが癒された感覚をもてるように援助すること、
②瞑想を活用して、クライアントの内なる世界(スピリチュアリティ)の探求をケアとして実践できること」を目的とするのである。
 今回は、理論と実習で密教瞑想の「入我我入」の境地を味わえるようなワークショップにしたい。

 

【プロフィール】

1954年飛騨高山に生まれ、高野山大学仏教学科卒業、高野山後で修行後にスリランカへ留学し、上座部寺院で仏教瞑想のシャマタ・ヴィバッサナーを修習する。
帰国後、飛騨高山でビハーラ飛騨を展開し、緩和ケア病棟建設に尽力する。
15年間内科クリニックで臨床スピリチュアルケアワーカーとして患者家族のケアをし、ベッドサイドでの心のケアの実績から、臨床現場の活動と理論構築を日本ホスピス在宅ケア研究会や日本死の臨床研究会などに関わり、のちにNPO法人日本スピリチュアルケアワーカー協会や日本スピリチュアルケア学会の設立にかかわる。
高野山大学大学院臨床宗教教養講座教授や京都大学大学院医学研究科、名古屋大学医学部、愛知医科大学看護学研究科の非常勤講師として、スピリチュアルケアの講師をしている。
近年、飛騨千光寺に「臨床瞑想法教育研究所」を創設して、臨床瞑想法の4つメソッドを全国的に展開中。