第2回大会演者 抄録・プロフィール: 定行俊彰

定行 俊彰
演題: 講演 「ゲシュタルト療法では身体感覚をどのようにあつかうか」


要旨:
ゲシュタルトセラピーではクライエントのホーリスティック(全体性)を重視します。
クライエントが発する一つ一つの言葉・文章のみに捉われることなく,
クライアントの全体が何を伝えようとしているのか,
何が起きているのかということを手掛かりに,セラピーを進めていきます。
では,全体性とは何でしょうか。
それは,今ここの場でクライエントの思考・体感・感情で何が起きているかということです。
言葉は思考を表現します。一方,言葉にならない感覚,言葉以前の何か体の中に起きている感覚や感情はからだが表現します。
そこで,ゲシュタルトセラピーでは,
からだが何を語っているのかということをクライエントが気づいていくことをサポートするように進めていきます。
姿勢・しぐさ・呼吸・声・表情・立ち居振る舞い・筋肉の固着・からだの痛み等様々なからだが
今ここで表出していることについて,丁寧にクライエントと共に掘り下げていきます。
これらの具体的なアプローチの紹介を通して,
ゲシュタルトセラピーがどのように身体感覚を扱っていくかについて今回の講演では,話を進めていきます。

 

演題: ワークショップ 「身体感覚に焦点をあてたゲシュタルト療法の実際」


要旨:
ゲシュタルトセラピーではクライエントの「気づき」をサポートしていきます。
その意味では,気づいたことをからだ全体で味わうプロセスそのものがゲシュタルトセラピーだと言いえるでしょう。
今回のワークショップでは,
からだの感覚をどのようにクライエント共に探っていくかということを参加者に体験してもらおうと考えています。
内容としては,参加者全員で行う演習。
それと,参加者の中から2名程度,実際にその場で私とゲシュタルトセラピーを経験してもらうという構成で行っていく予定です。
さらに,経験した演習とゲシュタルトセラピーの実際を通して,
質疑やゲシュタルトについての簡単な補足説明を行っていきたいと考えています。
短い時間ですが,ゲシュタルトセラピーがどのように身体感覚にアプローチしていくかの一端を紹介したいと思います。

 

【プロフィール】

兵庫県西宮市生まれ。
宮城教育大学在学中に,故竹内敏晴氏より「からだと表現」「からだが語ることば」「からだとことば」などについて深く学ぶ。
卒業後,からだの感覚を重視するゲシュタルトセラピーの存在を知り,
松井洋子氏,故ポーラ・バトム氏,百武正嗣氏等からゲシュタルトセラピーを学ぶ。
様々なゲシュタルトセラピーのアプローチの中でも,からだを通してセラピーを進めていくことに興味を持ち続けている。
現在,日本ゲシュタルト療法学会理事・学会スーパーバイザー。
全国各地でファシリテーター養成のためのワークショップを展開している。