第2回大会演者 抄録・プロフィール: 門脇佳吉

門脇 佳吉
演題: 特別講演 「Somaと聖書・禅」


要旨:
1. 聖書・禅におけるSomaの意味は宗教的行によってのみ知ることができる。
a. 聖書:体・魂・心・霊は違った観点から人間全体を指す。
体(soma,basar)他者と接する観点から見た人間全体:パウロ:体=聖霊の神殿
魂(nephes)命の息吹によって生かされている人間。
心(leb)心臓→感情・意志・知性=神と人との出会いの場
霊(ruah)風・息・人の霊(神の息吹によって生かされた人間)・神の霊
b. 禅:身心一如による「真実人体」
道元。「真実人体 尽十方世界」
大森曹玄「糞袋=私は我々であり、今はいつでもであり、ここは何処でもである」
2. 聖書と禅の共通の宗教的行:丹田呼吸による「真実人体」(「聖霊の神殿」)の現成
ⅰ調身・調息・調心(リハビリの訓練に似る)。丹田呼吸を練り、身心一如に達する。
ⅱ深化の段階:①自然の呼吸から始める。②丹田:弾力的ボール球を練って行く。③吐き切る(肛門を閉めて)=死に切る→「塵」(禅の無)の自覚④大死一番、大活す=「いのちの息吹」(聖霊)の自覚―拙著『パウロの「聖霊による聖書解釈」』42-62頁。「総身に広がって全体に行き渡る心、留まるところのないこと」(沢庵)
創世記二7