フォーラム演者 抄録・プロフィール: 葛西 賢太
葛西 賢太
演題:「手当て」とはなにか?-諸宗教における手技実践と忌避の事例
要旨:
痛みがある場所に手を当てるという行為は、自然なふるまいに感じられる。
苦痛に対応する宗教実践においても、
「手当て」(手技)の事例は豊かに見い出される。
ところが諸宗教における「手当て」の事例を比較検討すると、
実践のみでなく、「手当て」の注意点に加え、
「手当て」の忌避さえも存在する。
諸事例を通して、
「手当て」の意義、可能性、課題、注意点について考察したい。
【プロフィール】
宗教情報センター研究員/上智大学グリーフケア研究所客員所員。
1966年東京生まれ。
断酒自助会Alcoholics Anonymousの研究で、東京大学大学院人文社会系研究科より博士(文学)。
上越教育大学教員を経て現職。心理学・医療と宗教が対話しながら発展する運動を見つめてきた。
著書に、『ケアとしての宗教』(明石書店)、『仏教心理学キーワード事典』(春秋社)、
『現代瞑想論』(春秋社)、『断酒がつくり出す共同性』(世界思想社)など。