第4回大会演者 抄録・プロフィール: 高橋徳

高橋徳
演題: 「愛の生理学 -オキシトシンと愛-」


【要旨】

オキシトシンは神経ホルモンの一つで、主に脳内の視床下部で生成されます。
オキシトシンが授乳や子宮収縮に大きく関係していることは早くから知られていましたが、
抗ストレス作用に関係していることも分かってきました。
オキシトシンが脳内で分泌されるとストレスに適応することができ、心身への悪影響を和らげてくれます。
加えて、オキシトシンは 「思いやり」や「信頼」などの感情を促し、私たちの人間関係を築くのに重要な役割を果たしています。
幸いにも、これまでの研究の結果、体内においてどのような仕組みでオキシトシンの発現が増加するのか解ってきました。
「人を思いやったり」「人から大切にされたり」するような積極的な人との関わりを持つことは、
体内オキシトシンの発現を増加させ、日常のストレスに負けない心身を保つために重要です。

 

【プロフィール】

ウイスコンシン医科大学 教授
統合医療クリニック徳 院長

関西の病院で消化器外科を専攻した後、渡米。
ミシガン大学助手、デユーク大学教授を経て、現在ウイスコンシン医科大学教授。
昨年名古屋市に『統合医療クリニック徳』をオープン。
主な研究テーマは『統合医療』と『オキシトシンの生理作用』。
視床下部で産生されるオキシトシンは社交性の向上に関与しており、
彼の研究成果は健やかで愛溢れる社会の構築にオキシトシンが不可欠である可能性を想起させる。
著書『人は愛することで健康になれる』『あなたが選ぶ統合医療』『オキシトシン健康法』。