第3回大会演者 抄録・プロフィール: 鎌田穰

鎌田 穰(かまた みのる)
演題: 分科会シンポジウム 「ヨーガ療法からみた心身相関」


要旨:
 ヨーガ療法は、伝統的ヨーガ5000年の叡智にもとづき、医療の中で組み立て直されてきた治療技法の体系である。
独自の人間観、病理論、治療/指導論、技法論、哲学を完備した健康実現法であり心理療法体系でもある。
 人間理解としては、人間を「五蔵説」という5層の鞘に分けて考える。
肉体の層「食物鞘」、呼吸とエネルギーの層「生気鞘」、情報伝達作用の層「意思鞘」、認知機能に関する層「理智鞘」、全ての記憶の貯蔵庫「心素」を含む層「歓喜鞘」、
という5層の多重構造の統一体として人間をとらえる。
 ヨーガ療法では、ウイルス感染や外科的外傷以外の病気について、無智すなわち認知的判断の歪みあるいは偏りから、
無常なるものに執着し、その執着から感情が生じ、そこから意識が乱れ、さらに呼吸が乱れ生体エネルギー(プラーナ)が乱れ、脳機能も乱れ始める。
それが慢性化することで身体組織が乱され病気となる、と心身相関的に考えられている。

 

【プロフィール】

1994年大阪市立大学にて、アドラー心理学にもとづく親教育で博士(学術)号取得。
臨床心理士、精神保健福祉士、日本心身医学会認定医療心理士。
社)日本ヨーガ療法学会認定ヨーガ療法士、インド中央政府認定ヨーガセラピスト。
 昭和63年から黒川内科心理士として勤務。現在、日本ヨーガ療法学会研究委員。日本心身医学会近畿地区代議員。
認定ヨーガ療法士会大阪副幹事長、大阪大学大学院医学系研究科統合医療学寄附講座特任研究員。
<身>の医療研究会理事。