第3回大会演者 抄録・プロフィール: 合田秀行

合田 秀行(ごうだ ひでゆき)
演題: 講義 「唯識思想入門─仏教心理学とその瞑想論─」


要旨:
インドに展開した大乗仏教思想の中でも、特に現代思想の視点から関心を寄せられているのが、唯識思想である。
例えば、ユング心理学との比較をはじめ、現象学の立場からも比較研究などが進められている。
今回は唯識思想入門として、その特徴とされる、八識説・三性説・唯識観という教理を分かりやすく概説しながら、唯識思想における仏教心理学の側面を紹介しつつ、仏教史の展開において無意識の領域に行き着いた過程についても考察を試みたい。
さらに、このような唯識思想の実践者(ヨーガーチャーラ)が、具体的にどのような瞑想を実践していたかを中心に講義する。
唯識思想、さらに広く仏教において展開してきたさまざまな瞑想のあり方を現代に活かす道を模索していきたい。

 

【プロフィール】

1961年、北海道生まれ。
日本大学大学院博士課程満期退学(仏教学専攻)。
日本大学文理学部教授。
日本ソマティック心理学協会事務局長。
日本トランスパーソナル心理学/精神医学会副会長。日本印度学仏教学会理事。比較思想学会評議員。
唯識思想の研究を中心としながら、身体論の視点から比較思想的な考察を試みる。
玉城康四郎先生に師事し、坐禅、気功、さまざまな瞑想の実践にも関わり、現在に至る。
共著『輪廻の世界』、『仏教の人間観』、『スピリチュアリティの心理学』ほか。