第2回大会演者 抄録・プロフィール: 山口創

山口 創
演題: 講義 「身体心理学入門-カラダからココロへのアプローチ」


要旨:
これまで「身体心理学」を標榜した研究は、たとえば原口(1982)や葛西(2002)などがある。
その中で春木(2002)が創始した身体心理学は、
Darwinの進化説やJames-Lange説を理論的基盤とし実証的で体系づけられた独特の学問として、
心理学のみならず様々な学問分野から注目され評価されている。
身体心理学の定義として以下の4つがある(春木, 2002)。
身体心理学は、
①「動き」の心理学であり、動きをテーマとする。
②動きの構造ではなく機能を調べる。
③動きを独立変数として扱う。
④動きと心(主として情動や気分)との関係を調べる。
そしてノンバーバルコミュニケーションも含め検討していくものであるとしている。
そして主な研究テーマは呼吸、表情、姿勢などである。
講演では特に身体心理学の基礎となる理論的背景や基礎実験について紹介する。

 

【プロフィール】

山口 創 桜美林大学教授
1967年生まれ。早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程修了。
専攻は、健康心理学・身体心理学。
聖徳大学人文学部講師を経て、現在は桜美林大学教授。臨床発達心理士。
子どもに触れることの影響や、タッチングの質について研究している。
主な著書に、『子供の「脳」は肌にある』(光文社新書)、『皮膚感覚の不思議』(講談社)、
『幸せになる脳はだっこで育つ』(廣済堂)など多数。