第2回大会演者 抄録・プロフィール: 久保隆司

久保 隆司
演題1: オープニング講演:「身体と心のリベラルアーツとしてのソマティック心理学」


要旨:
生きるための「真の教養」としてのリベラルアーツが21世紀の今、多くの人から求められています。
リべラルアーツとは、根源から「人を自由にする学問」の基盤であると考えます。
それは全人的な教育、教養であり、頭でっかちになることではありません。
本来的にボディ・エモーション・マインド・スピリットのバランスの上に成り立つべきものであることを忘れてはなりません。
今の私たちに必要なのは、私たち自身が生き抜くための学問です。属するコミュニティが成熟するための学問です。
グローバルにつながるネットワークによって、個人と集団が多様性という豊かさを享受するための学問です。
自らの精神と身体を使って、自己も他者も自由な状態に開放するための手段としての
理論と実践を身につけるための生きた学問としてのリベラルアーツが必要なのです。
そのような新しいリベラルアーツの核となる概念は「心身統合」でありましょう。
そのような学問体系構築のハブとなるのがソマティック心理学を代表とする<ソマティック>でしょう。
そして、そのような時代の要請に応える場の提供に、日本ソマティック心理学協会、そして当大会の存在意義があると考えるのです。

 

 

演題2: 「ソマティックダイアローグ」


要旨:
古くは世界的物理学者デイヴィッド・ボームによって考案された「ボームダイアローグ」、近年では「オープンダイアローグ」など、
「ダイアローグ」は明確な回答のない時代・状況において、存在意義を訴え、重要性を増しているように思える。
「ソマティックダイアローグ」は、それらの「ダイアローグ」に、より積極的に身体性の側面を導入することによって、さらなる自然なプロセスの進行を促す。
「ダイアローグ」という体験を通じて、重層的な心と身体の統合を目指す。
今回は短時間ではあるが、参加者がそのテイスト、可能性が感じられることを期待して、その場を提供するものである。